有機種子は少ない!自家採種で日本伝統野菜の有機種子を生産する方法

オーガニック

有機野菜を栽培しようとしても自分が生産したい日本野菜の有機種子(オーガニック種子)が販売されていないことはありませんか?

実は販売されている日本野菜の有機種子は供給されている品種数がとても少ないのです。

この記事ではあなたが求めている有機種子を入手する方法と改正種苗法による「自家増殖(自家採種を含む)の原則禁止」について解説します。

オーガニック家庭菜園家も有機農業経営者も自分が栽培したい野菜の品種を栽培することができますよ。

あなたが求める有機種子を入手する方法は自家採種です

Seed4[自家採種したカボチャの種]

あなたが求めている品種の有機種子を入手する方法は自家採種(じかさいしゅ)することです。

そうすることで来年にはあなたが生産したい品種を栽培することができるでしょう。

市場で販売されている有機種子の品種は限られていることを日本政府も理解しています。

そのため農林水産省の有機JAS制度では「有機農業では有機種子を使用すること」としながらも「不可能な場合はその限りではない」として農薬を使用する工業型農業(慣行農業)によって生産した種子を利用することも認めているのです。

結論としては有機種子を入手できないという理由があれば一般的に販売されている化学合成農薬や肥料によって栽培した作物から採取した種子を有機農業で使用することは許可されています。(遺伝子組み換え作物の種子はのぞく)

有機農業の世界的な指針であるコーデックス有機ガイドラインでも有機種子を使用すること、そして可能な限り自然由来の資材を使用することが望ましいとされています。

わたしたちが必要としているのは日本野菜を中心とする普段の生活で使用する野菜の種子ですよね。

それらの品種の有機種子は供給されていなくても自分たちで生産することは認められており推奨(すいしょう)されてもいるのですよ。

わたしは有機JAS有機農産物生産行程管理の資格を持っており自家採種した有機種子を使用して有機農産物の栽培をおこなっております。

有機種子を自家採種する4つのルール

Seed[欧州連合では有機種子は有機農業の根幹とされています]

有機種子を自家採種するための4つのルール

  1. 有機種子は有機認証農地または同等性のある農地で栽培する
  2. 有機種子を生産できる種子区分の種を播(ま)く
  3. 有機種子の栽培方法は有機農業規則に準ずる
  4. 有機種子のトレーサビリティ(栽培記録)を作成する

有機種子を自家採種するための条件は有機認証農地またはその同等性がある農地で栽培すること

Seed3[有機種子は有機農地によって生産されます]

あなたが有機農業経営者であれば『JAS法(日本農林規格)』や『IFOAM(国際有機農業運動連盟)』で許可を受けた有機認証農地で有機種子を自家採種しましょう。

あなたが家庭菜園家なら農地とする土地の利用履歴と地形を調べましょう。

もし化学物質の使用履歴があるなら土壌分析によって化学合成農薬と除草剤が土地に残留していないことを確認します。

農地にしようとしている土地に道路から雨水が入るようなら化学物資が流れ込む可能性もあるので対策をおこないましょう。

そうすることで有機認証農地と同等性のある土地で有機農業(オーガニック)を栽培をおこなうことが可能であり有機野菜も有機種子も生産できるのです。

(家庭菜園の目的は自給と地球環境の健全性を向上させることです。有機野菜の販売もおこなう場合は『日本政府のJAS法による有機JAS制度』や『IFOAMによる参加型保証システム(PGS)』によって有機農業(オーガニック)の認証を受ける必要があります)

有機農業の農地の条件は化学物質が残留していないことです。土壌分析によって土地の状態を確認するなら家庭菜園にも対応してくれる土壌分析.comをおすすめしますよ。

もし化学合成農薬を使用している農地であっても転換期間として化学物質を使用しない農業をおこなうことで3年後からは有機野菜を栽培することができます。

土地に残留する化学物質を減少させるには緑肥作物を栽培し土壌から化学的な成分を吸い上げさせるのも有効な方法のひとつでしょう。

有機種子を生産できる種子区分の種を播(ま)く

Seed2[有機種子の自家採種は可能な種子と不可能な種子があります]

有機種子を自家採種できる種子の種類は『在来種』『固定種』『エアルーム種』です。

これらの種子を有機認証農地または同等性のある農地に播(ま)いて栽培し種子を採種することで有機種子を生産することができますよ。

そしてこれらの種子は有機種子である必要はありません。

あなたが自家採種によって生産したい品種の有機種子を播いてください。

自家採種ができない種子は『交配種F1』『遺伝子組み換え作物の種子』

交配種F1は第二世代(F2)にF1の特性が継承されません。F2の種子を採種して播(ま)いて農作物が実っても交配種F1の特性は持っていないため自家採種には不向きであり不可能です。

遺伝子組み換え作物は有機農業では栽培を認められていないため採種することはできません。

化学合成物質由来の資材を使用しないで栽培すること

有機種子を生産するために有機農業の栽培方法で農産物を育てましょう。

有機農業の栽培に関する基準は各国政府が独自に策定しているのですよ。

有機農業(オーガニック)の世界的な指針であるコーデックス有機ガイドラインでは各国の状況に配慮しながらも出来る限り自然由来の資材を使用することを推奨(すいしょう)しています。

高品質な有機野菜を生産するならオーガニック先進国であるEU(欧州連合)やアメリカの有機農業規則を参考にするとよいでしょう。

たとえばEU(欧州連合)の有機農業規則ではオーガニック製品に有機認証ロゴマーク「ユーロリーフ」を表示しています。

オーガニック製品を構成する成分の95%以上は有機農業(オーガニック)によって生産した農産物を原材料にしているのですよ。

オーガニック製品の品質を数値で表示することは有機農業先進国の特徴だと言えるでしょう。

EU-Organic-Logo出典 欧州委員会 |有機農業一目で有機物-有機ロゴを使用する場合

[欧州連合が定める有機農業製品の基準は95%以上がオーガニック成分であること]

有機種子のトレーサビリティ(栽培記録)を作成すること

Write[あなたが生産した有機種子がオーガニックであることを証明できるのはあなたの栽培記録だけです]

有機農業(オーガニック)では生産した農作物が有機農産物であることを証明するための方法としてトレーサビリティ(追跡する能力という意味)という仕組みがあります。

たとえば市場で販売されている有機農産物であることを証明するには

  • いつ
  • 「どこで(有機認証農地であること)
  • 「誰が(生産者は有機JAS認証事業者であること)」
  • 「有機栽培で認められた栽培・収穫・保管・保管の各工程」
  • 「有機野菜の有機性を保持できる輸送手段であること」

という有機農産物が消費者に届けられるまでの記録が必要になります。

トレーサビリティを確保することで有機農産物であることを証明できるように有機種子も親株の生産から自家採種するまで、そして有機種子として使用するまでの証明ができるように記録を作成することがとても重要なのです。

有機農業経営者であれば有機認証農地・品種と栽培工程・自家採種の記録を作成しましょう。

有機農業の家庭菜園家なら有機農業と同等性のある農地であることも記録しましょう。

有機農業において生産した野菜が有機野菜であることを証明できるもの記録だけなのですよ。これがトレーサビリティなのです。

結論はあなたが生産した有機種子や有機野菜がオーガニックであることを証明できるのはあなたの栽培記録のみだと言うことです。

栽培記録は栽培技術を向上させる鍵でもあります。

たとえば気候変動による不安定な温度変化はとう立ち(抽苔:ちゅうだい)の可能性を高めます。

気候を予測して不作を未然に防ぐためにも播種から収穫までの栽培記録は重要な作業だと言えるでしょうね。

参照 有機農業のホントのほんと – グリーンフィールドプロジェクト

日本伝統野菜はなぜ有機種子が少ないのか

japanese-food[日本人にとって大切な日本野菜の有機種子は販売されている品種がとても少ない]

西洋野菜に比べると日本野菜の有機種子は販売されている品種がとても少ないです。

その理由はヨーロッパ諸国やアメリカのような有機農業(オーガニック)に比べると日本の有機農業の進歩は少なくても10年は遅れているからです。

特にヨーロッパでは政府主導のもと「有機栽培の根幹は有機種子の使用にある」として有機種子の生産者データを欧州連合加盟国で共有しています。

アメリカも有機種子の生産者データを製作しておりますが提供できない品種に関しては非有機種子を使用する正当性があれば移行措置として有機ではない種子も使用することを許可されているのですよ。

さらに有機農業への支援としてはヨーロッパにおいてはオーストリア政府は1971年から、そしてドイツ政府では1989年から公的資金を投入しています。

アメリカ政府も2002年農業法から公的資金を投入して有機農業の技術支援と普及活動を開始していますね。

日本政府は2021年5月12日に『みどりの食料システム戦略』を公布して有機農業の生産拡大と普及活動を開始しました。

各国政府の有機農業政策とその取り組み姿勢を比較すると日本とヨーロッパでは30年以上も差が開いており、アメリカと比べても日本は20年も遅れていますよね。

結論は日本は有機農業後進国であるため根幹となる有機種子を提供することができないということです。

世界各国では有機農業が食品産業の主流のひとつであるように日本も政府の主導によってこれからはオーガニックが食料生産の中心になるでしょう。

そして有機農業の生産規模が拡大するまでは供給量が限られているため有機野菜は家庭菜園によって自給する時代なのです。

Organic-National-policy出典 オーガニック産業発展のための政策提言~EU・アメリカ・日本を比較して~

Organic-World-Market

organic-farm-Area-of ​-each-countryin-the-world2018出典 農林水産省 有機農業をめぐる我が国の現状について

改正種苗法による「自家増殖(自家採種を含む)の原則禁止」について

Japan-Nourinsuisanshou出典 農林水産省

[改正種苗法による自家採種の許諾が必要なのは一部の登録品種のみです]

結論から言うと現在利用されている『在来種』『固定種』『エアルーム種』『交配種F1』を含める品種のほとんどは制限を受けない一般品種であり自由に自家増殖(自家採種を含む)することができます。

令和2年12月9日に公布された『改正種苗法』によって自家増殖(自家採種を含む)に許諾(きょだく)が必要となるのは国や県の試験場などが年月と費用をかけて開発した『登録品種』(種苗法制度による育成者権)のみであり一般品種は自家増殖を制限されません。

登録品種も許諾を受ければ自家増殖(じかぞうしょく:自分で育て増やす)をすることができますよ。

一般品種には『在来種』『固定種』『エアルーム種』『交配種F1』に分類されるほとんどの品種が含まれています。

改正種苗法は日本で開発された優良な品種が海外に流出して第三国に輸出または産地化されることを防止することを目的にしています。

日本で開発される新品種を保護するための法律であり制限されるのは『登録品種』だけですよ。

有機種子を自家採種することは日本の有機農業を普及させる活動であり生産性も向上させます。

有機種子を自家採種する素晴らしい利点

SDGs-17GOALS-2出典 国際連合広報センター

[有機種子を自家採種することは多様な生態系を守る活動です]

有機種子を自家採種することで希少性が高い種子を無料で入手することができます。

そして農作物は気候風土に応じて性質を変化させるので菜園家の好ましい味わいに変化するという特性があります。

その土地に馴化(じゅんか:気候風土に適応すること)して味わいを増していく農作物の特性は種子から種子へ継承されるので自家採種することで毎年変わることのない味覚を楽しむことができるでしょう。

さらに自家採種をおこなうことは種の保存(しゅのほぞん)でもあります。多様な生態系を守ることになるのです。

その活動は国際連合が主導するSDGs(持続可能な開発目標)を加速させます。それはあなたが世界中の人々を救うヒーローの一人であることを意味しているのですよ。

まとめ

自家採種は有機農業の生産性を向上させる活動であり有機種子を入手する確実な方法でもあります。

有機種子を生産することであなたの菜園家としての技術はさらに向上していくでしょう。

さらに在来種・固定種・エアムール種についてでは種子の種類について解説しています。

ぜひご覧ください。

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